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風邪をひいたときにおすすめの食事とは?積極的にとりたい栄養素と調理のコツを紹介

公開日:2025.05.19

風邪をひいたときにおすすめの食事とは?積極的にとりたい栄養素と調理のコツを紹介

文:下田由美(管理栄養士)

「なんだか最近、疲れが取れない」「外食続きで栄養バランスが崩れているかも」このような状態が続くと、風邪をひきやすくなります。

季節の変わり目だけでなく、年間通して風邪のリスクは潜んでいます。

また、うがいや手洗いを行っていても、風邪を完璧に防ぐことはできません。

そこで今回は、風邪をひいたときに回復をサポートする栄養素や食べ物、風邪を長引かせないためのポイントを紹介します。

つらい風邪の症状を少しでも和らげたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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風邪をひいたときにとりたい栄養素

風邪をひいたときは、体内に侵入したウイルスと戦うために。

普段よりもエネルギーを必要とするためしっかりと栄養を補うことが大切です。まずは、風邪をひいてつらいときにおすすめの栄養素を紹介します。

たんぱく質

風邪をひいたときにおすすめの食事とは?積極的にとりたい栄養素と調理のコツを紹介

たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などの体のもととなる栄養素です。ホルモンや酵素、抗体などの調節機能も担います。

不足すると、体力や免疫機能の低下がみられやすくなるため、注意が必要です。風邪の原因であるウイルスと戦う力をつけるために、たんぱく質を積極的に補いましょう。

主な食品

肉、魚、豆腐、卵など

調理のポイント

肉や魚の種類によっては、脂質が多く胃腸に負担がかかるものもあります。風邪をひいているときは、消化が良い鶏肉や白身魚、豆腐や卵などを中心に調理しましょう。

ビタミンA

風邪をひいたときにおすすめの食事とは?積極的にとりたい栄養素と調理のコツを紹介

ビタミンAは粘膜や皮膚をウイルスなどから守る働きがあります。感染予防には欠かせない栄養素です。

主な食品

レバー、うなぎ、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など

調理のポイント

ビタミンAは、油との相性が良く、組み合わせることで吸収しやすくなります。

ビタミンC

風邪をひいたときにおすすめの食事とは?積極的にとりたい栄養素と調理のコツを紹介

ビタミンCは、体内に侵入したウイルスを攻撃し、免疫細胞の機能をサポートするといわれていますが、現時点で直接的な風邪の予防効果は科学的に証明されているわけではありません。

ただし、日頃から意識してビタミンCを摂取することで、風邪をひいてしまったときの症状を和らげる手助けになる可能性があります。

主な食品

ブロッコリー、パプリカ、じゃがいも、いちご、みかんなど

調理のポイント

ビタミンCは、水溶性ビタミンのため、水に溶けやすい性質があります。

短時間で蒸し料理にしたり、煮汁ごと食べられる味噌汁やスープなどにしたりして、効率良く摂取するのがおすすめです。

風邪をひいたときにおすすめの食べ物7選

風邪をひくと、食欲がなくなったり、胃腸の調子が優れなかったりすることもあるでしょう。

しかし、そんなときでも、しっかりと栄養補給することが、回復への第一歩となります。
そこでここでは、風邪をひいたときにおすすめの食べ物を7選紹介します。

1.消化にやさしいおかゆ・うどん

風邪をひいたときにおすすめの食事とは?積極的にとりたい栄養素と調理のコツを紹介

おかゆやうどんは消化しやすく、食欲がないときにもおすすめです。おかゆを作るときに卵やしらすなどを加えると、良質なたんぱく質も補給できます。

うどんは卵や鶏肉、野菜などを加えてやわらかく煮込めば、1品で栄養バランスが整いやすくなります。

2.ビタミンがたっぷり摂れる緑黄色野菜・果物

風邪をひいたときにおすすめの食事とは?積極的にとりたい栄養素と調理のコツを紹介

にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜は、ビタミンA、ビタミンCが豊富です。野菜を鍋や味噌汁に加えれば、たっぷり摂ることができます。

また、みかんやキウイフルーツなどの果物もビタミンCが豊富に含まれており、免疫力アップに役立ちます。ただし、酸味が強いものは喉に刺激となる場合があるため、喉が痛いときはりんごをすりおろすなど、工夫しながら食べましょう。

3.体を温める生姜・ねぎ

風邪をひいたときにおすすめの食事とは?積極的にとりたい栄養素と調理のコツを紹介

生姜のジンゲロールやショウガオールは、新陳代謝を高め、血行を良くする働きがあります。ねぎに含まれるアリシンも血行を促進し、体を温める作用があります。

4.良質なたんぱく質源の卵・豆腐

風邪をひいたときにおすすめの食事とは?積極的にとりたい栄養素と調理のコツを紹介

卵と豆腐はたんぱく質の中でも消化が良い食品で、良質なたんぱく質源になります。体に必要なアミノ酸をバランス良く含んでいるのも特徴です。

特に、豆腐は水分も多く、口当たりも良いため、食欲がないときでも比較的摂取しやすいでしょう。

ほかにも、鶏胸肉やささみ、白身魚も消化しやすい食品です。鶏肉をやわらかく煮込んだり、ささみを茹でてほぐしたりすることで食べやすくなるでしょう。

5.水分補給に役立つゼリー

風邪をひいたときにおすすめの食事とは?積極的にとりたい栄養素と調理のコツを紹介

喉ごしの良いゼリーは、水分を効率良く補給するのに適しています。食欲がないときや、固形物を食べにくいときでも、手軽にエネルギーと水分を摂取できるのがメリットです。

6.喉の炎症がつらいときは大根・はちみつ

風邪をひいたときにおすすめの食事とは?積極的にとりたい栄養素と調理のコツを紹介

大根特有の辛み成分であるイソチオシアネートは、喉の炎症を鎮め、咳を和らげる働きが知られています。大根には消化を助ける酵素も含まれており、胃もたれなどの不快感を和らげる効果も期待できます。

捨ててしまいがちな葉や皮の部分にもビタミンCが含まれているため有効活用しましょう。

はちみつにも喉の炎症や咳を抑える効果が期待できるため、大根のはちみつ漬けを作り、そのシロップを白湯で薄めて飲むのもおすすめです。

7.腸内環境を整えるヨーグルト

風邪をひいたときにおすすめの食事とは?積極的にとりたい栄養素と調理のコツを紹介

ヨーグルトは腸内環境を整え、免疫力を高める効果が期待できます。水分も豊富で食べやすく、食欲がないときにもおすすめです。

無糖のヨーグルトに善玉菌のエサとなるはちみつを加えれば、相乗効果で腸内環境を良い状態へと導きやすくなります。

風邪をひいたときに注意すべきポイント

風邪をひいたときは、胃腸に負担がかからないよう刺激物を控えましょう。風邪のときに避けたい食品は、下記の通りです。

脂っこいもの

脂質の多い肉や揚げ物などは、消化に時間がかかります。揚げ物ではなく蒸し鶏など、食材や調理法を検討しましょう。

食物繊維が多い食材

ごぼうなどの根菜類は食物繊維が多く、胃腸に負担がかかります。症状が和らぐまでは、食物繊維が少ない葉物野菜などを選ぶと安心です。

香辛料

唐辛子などの辛いスパイスは、胃粘膜に刺激を与えてしまいます。体を温める働きのある生姜などを活用すると良いでしょう。

アルコールやカフェイン入りの飲み物

利尿作用のあるアルコールやコーヒーは脱水を引き起こすおそれがあるため、控えましょう。また、アルコールは睡眠の質の低下に悪影響をおよぼします。

水分補給は、麦茶などノンカフェインの飲み物を選びましょう。

風邪を長引かせたくない!風邪をひいてしまったときに心がけたいこと

喉の痛みや鼻水などの風邪症状が出ているときは、体内に入ってきたウイルスなどと戦っているサインです。ここでは、風邪を長引かせないようにするためのポイントを紹介します。

回復を助ける食事を摂る

風邪の回復には、消化しやすく栄養豊富な食事を心がけましょう。

体力の消耗が激しいときは、たんぱく質やビタミン・ミネラルを積極的に摂取することが大切です。食欲が落ちているときは、少量でも消化の良い食品を選び栄養補給しましょう。

固形物が摂れないときは、果汁100%のジュースなどでも問題ありません。

ただし、胃腸が弱っているときは、柑橘系のジュースは負担となる場合があるため、刺激の少ないりんごジュースなどを選ぶと良いでしょう。

長期間食べられない状態が続く場合は、早めに病院へ受診し医師に相談してください。

水分補給を意識する

喉の粘膜は、体をウイルスや細菌から守るバリア機能を担っています。

口腔内が乾燥すると、異物を排出する力が弱まってしまうため、こまめに水分補給をして口の中をうるおすようにしましょう。起床後、食事中、入浴後、寝る前などタイミングを決めて水分補給するのもおすすめです。

ただし、カフェインには利尿作用があるため、摂取しても水分が体外へ排出されやすくなります。白湯や麦茶などのノンカフェインの飲み物を選びましょう。

脱水が心配な場合は、電解質を効率良く補える経口補水液やスポーツドリンクも有効です。

十分な睡眠をとる

風邪の早期回復を目指すには、質の高い睡眠が欠かせません。睡眠不足は免疫力にも悪影響をおよぼすといわれています。

風邪をひいているときは、普段よりもたっぷりと睡眠時間を確保しましょう。

また、寝室の温度や湿度にも配慮し、快適な環境に整えることもポイントです。乾燥した空気は、喉や鼻の粘膜を刺激しやすくなります。

加湿器を利用したり、濡らしたタオルを室内に干したりするなど、湿度を調整しましょう。

無理をしない

発熱や咳などの症状があるときは、体力が消耗しているため、無理せず休息をとりましょう。

休むことに罪悪感を抱く方もいるかもしれませんが、風邪を長引かせないためにはしっかりと休むことが重要です。

無理をすると症状が悪化したり、回復が遅くなったりするおそれがあるため、体を温めて安静に過ごすことが大切です。

食事の準備がつらいときは、コンビニやスーパーのお惣菜、レトルト食品などを活用し、負担を軽減しましょう。

風邪をひいたら早めの対策が肝心!

風邪をひいたときは、消化の良い温かい食事で栄養補給と水分補給を心がけ、安静にすることが大切です。

積極的に摂りたい栄養素は、たんぱく質、ビタミンA、ビタミンCです。鶏肉や豆腐、野菜、果物などを意識して取り入れましょう。

消化にやさしいおかゆやうどん、体を温める生姜やねぎもおすすめです。脂っこいものや刺激物は避け、十分な睡眠と休息をとり、無理せず体をいたわりましょう。

下田由美(管理栄養士)

下田由美(管理栄養士)

管理栄養士として約10年間、病院、施設、保育園で幅広い年代の「食と健康」に携わってきた。そのなかで「食」と「心」は密接に関係していると気づく。現在は、「食はココロとカラダを元気にする」をモットーに管理栄養士ライターとして活動中。健康や栄養に関する記事執筆や監修、レシピづくりなどを行っている。空手道初段、県大会ベスト3の実績あり。

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