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理学療法と整体師の違いとは?理学療法士に似た職種も紹介

公開日:2025.05.26

理学療法と整体師の違いとは?理学療法士に似た職種も紹介

理学療法士を目指す人や、理学療法士として働く人のなかには、周囲から「整体師」と混同された経験がある人もいるかもしれません。

理学療法士の役割について詳しく知らない人からすると、理学療法士と整体師の仕事は似ているように感じられますが、両者はまったく異なる仕事です。

今回は理学療法士と整体師の違いについて解説していきます。

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理学療法士とは

理学療法士とは、リハビリテーションに携わる国家資格です。英語では「Physical Therapist」と表記され、リハビリの現場では他の職種から「PT」という略称で呼ばれることもあります。

また、作業療法士や、言語聴覚士といった他のリハビリ専門職も含めて「セラピスト」と総称されることもあります。

理学療法士は、怪我や病気によって身体機能が低下した人や、障がいを負った人に対して、基本動作能力の維持や向上、改善に努める仕事です。病院や福祉施設、教育機関などさまざまな場所で活躍しています。

具体的には、姿勢や筋力、バランス能力などの評価や、運動療法、物理療法、歩行訓練などを実施します。また、それに付随して環境整備や、福祉用具の選定なども行うことがあり、仕事内容は多岐にわたります。特に、物理療法のなかでも電気や温熱を用いた施術を得意とします。

整体師とは

整体師とは、もみほぐし・骨格調整・ストレッチなどを用いて身体の歪みや不調を整える仕事です。資格は必須ではなく、身体のバランスを整えるためのマッサージを生業としている人に広く用いられる総称です。

整体師にはカイロプラクティックやセラピー、エステティシャンに関連する民間資格を取得して仕事をしている人もいます。自分で開業した整体院やエステサロンなどが主な活躍の場です。

理学療法士と整体師の違い

理学療法と整体師の違いとは?理学療法士に似た職種も紹介

理学療法士と整体師は、どちらも身体の不調を改善する仕事ですが、資格や業務範囲に大きな違いがあります。

まず、理学療法士になるには、大学や国で定められた養成校に通い、国家資格を取得しなくてはなりません。一方で、整体師は資格がなくても整体師と名乗ることができ、民間スクールや経験から技術を磨いていくことになります。

また、理学療法士は、医療機関や介護施設をはじめとした施設で、医師の指示に基づいて医療行為をしますが、整体師は医療行為を行えないため、身体のバランスを整える施術が中心となります。

また、理学療法士が提供する施術は基本的に保険が適用されますが、整体師が提供する施術は自由診療となり、保険が適用されません。

理学療法士に似た職種

理学療法と整体師の違いとは?理学療法士に似た職種も紹介

整体師以外にも理学療法士と間違われやすい仕事には以下があります。

作業療法士

作業療法士は、理学療法士と同じくリハビリテーションを担う国家資格を持つ専門職です。
理学療法士が、身体機能における「立つ」「座る」「歩く」などの基本動作を改善するのが得意な資格とするなら、作業療法士は「つまむ、掴む」などの手作業、いわゆる巧緻動作(こうちどうさ)を改善することが得意な職種です。

また、作業療法士は、記憶・注意・遂行機能のトレーニングにも強みを持っています。そのため、精神病院や児童発達に関わる仕事に就く人もいます。

あん摩マッサージ師

あん摩マッサージ師も国家資格であり、筋肉のこりや血行改善を目的としたマッサージを行う専門家です。理学療法士は独立開業ができませんが、あん摩マッサージ師には開業権があるため、自分で開業して事業化することができます。

自分で治療院を開業するケースの他、治療院やリラクゼーションサロンなどに務めるケースもあります。

また、医療リハビリの一環として、医療機関(リハビリ科や整形外科)で理学療法士と連携しながら施術を行う人ケースもあります。

理学療法士と整体師に向いている人

理学療法士と整体師は異なる仕事ですが、人に向き合い、体調不良や身体不調に対して施術を行うという点は同じです。

どちらの仕事も、人と話すことが好きな人や、相手の話を傾聴することが得意な人には向いているでしょう。また、専門知識を蓄え、技術を磨くことが目の前の利用者の助けになるため、自己研鑽に積極的な人にも向いています。

自分に合う仕事を選ぶか考えることが大切

理学療法士と整体師はどちらも人の健康を支える仕事ですが、資格の有無や働き方に大きな違いがあります。

理学療法士の国家資格を取得するには相応の時間と努力が求められますが、その分、医療機関での勤務や国家資格による信頼性、仕事の安定性といった面での強みがあります。

一方、整体師は資格がなくても開業でき、自分の得意な手技を活かしながら自由な働き方を選ぶことができます。

ただし、無資格である分、信頼を得るまでに時間がかかることもあるでしょう。技術を磨く教科書が用意されていないため自分自身で自己研鑽を重ねつつ、結果を積み重ねて信頼を築いていくことが大切です。

理学療法士と整体師は、どちらも人のためになる仕事ですので、しっかりと先を見据えて自分に合う仕事を選択していくことが大切です。

参考

手技による医療類似行為の危害:独立行政法人国民生活センター

参考

日本理学療法士協会:理学療法士とは

伊東 浩樹(理学療法士)

伊東 浩樹(理学療法士)

理学療法士として総合病院で経験を積んだ後、予防医療の知識等を広めていくためにNPO法人を設立。医療機関の運営や地域医療に関する課題解決に携わる。障がい福祉に関する責任者、特別養護老人ホームの施設長なども経験。医療機関の設立や行政から依頼を受けての講演、大学、専門学校等での講師なども勤める。

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